『「数独」を数学する』

原題 "Taking Sudoku Seriously"

数独パズルを何度か解いていると、次のような疑問を持つ。

  • 何問あるのか。似た問題はないのか
  • 数独の「難問」とはどういうものか
  • 最小いくつのヒントがあれば一意に解ける数独盤が出来上がるのか
  • てか、数独を数学的にモデル化するとどういう雰囲気なのか
本書は概ねこういった問に対して答えていると思う (ただし「難問」のくだりは純粋に数学・科学の問題ではないということもあるので、少し歯切れが悪い)。本著の主目的は最後の「数学的にモデル化」で、これに興味が無いと辛い部分が少し多いかもしれない。

あっても辛い。

数独盤には実質的に同じ盤があるのは自然に想像が付く。その変換方法が一定の数に収まること、そこに群論(「群理論」て書いてあったが)の群を見い出せ、「バーンサイドの補題」みたいな群論のツールを使って実質的に異なる盤がXXX個あると証明できる……といった流れが本著のアプローチ。特に一読者として不満を持つところはなかった。深みに入らず期待通りの程度感で数学的説明が少し出るばかりだけだし。「四色問題」と同じくコンピュータに頼る部分もあるらしい。

自分は数学クラスタではないので、本書の「数学の密度」で数学好きが納得するかまでは分からない。少なくとも証明が書かれている本ではないので、その時点で数学の教科書ではない。『フェルマーの最終定理』のような数学に関連する読本、みたいな雰囲気。

まぁ本当に数学の深部に興味が有るのなら、そういう人は群論そのものを分かってるだろうし論文も読めるだろうから、さっさと現論文あたるような気もする……

本書は周辺トピックも含めて比較的広く扱っているので面白いのだけど、その分数独の数学を眺めたいという欲求を満たすにはやや大部。で、その割にそれぞれの(特に数学の)説明はおおまかなので、本書それ自体を他人におすすめ出来るかまではよく分からなかった。

数独好きの知り合いにおすすめしようかなぁと思ったんだけど、数学に興味が無いと逆に数独自体への興味を失いそうな話題ではある、ような……考え過ぎかしら

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