『WORK RULES!』

Googleの人事部(ピープルオペレーション)がどう社内を見ているかがわかる本。おおいに参考になった。

人と人のつながり方が変わったせいなのか、「どう管理するか」についての発想の変化が起きている気がする。これとかこれを読んでも思うが、生産性の高い人に、自発的に創造的な仕事をさせることの強みが認知されて「久しい」 (され始めたなんてレベルでなく)、といったところ。この表現すら陳腐に見える辺りも、大事なところ。『リーダーシップが滅ぶ時代』を読んだ時の感じと非常に似ているといえば似ているが、その実体が日毎に具体的になってきている。

Googleの人事部が管理していないということはなくむしろ逆であり、データの計測や対照実験を通じて積極的に社内の人の動き方を判断している。一方、社員からみて、例えば「監視されている」だとか「束縛されている」だとかいう風に見える形には決してしない。これは自分の経験からもそのように運営され改善されていたのを体感している。

自分が知らないより最近の社内システムの改善についても概要が書かれている。「ずいぶん改善されたんだなぁ」と羨む内容でもあった。なおこの手の本では『How Google Works!』もオススメ。どっちの本でもジェフ・ディーンがネ申扱いで変わりがないという意味でも一貫している。

一方、日本の大学の実情というと、最近このような話が出回っていた。
東工大の「出張用務等確認書」に対する大学関係者の皆様の反応

この手の話題については、最近マネージメントも行う関係で思うところがある。ネット論壇等ではGoogle寄りの発想が歓迎されるのは当たり前。ただ実際のところ、管理上自分の中でも実際に自然に落ち着きそうなのは後者だという気がしている。そしてこのギャップを実践で克服するのは、個人的には結構大変だという印象だ。なぜそう思うかについては、自分の中でもまとまっていないので、ここでは書かない。

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