『認証技術』読んだ

認証技術 パスワードから公開鍵まで

ぶっちゃけると新版暗号技術入門 秘密の国のアリスの方がエッセンスとしては良い。

『認証技術』自体、和訳が2003年つまり9年前、原著は2001年発行つまり11年前のため、実例が非常に古いのに加えて、説明が日本語としてストレートでないのも気になる。ウインドウズNTとか2000のセキュリティの仕組みが今7とか8でどうなっているのかも知りたいところ。

良い点としては「常識としてこうだよね」と今一般的に前提とされている少し前から話を始めているのが参考になる。「〜ならば○○ということになる」的な話で、今では「〜」が条件として成り立っている話と成り立っていない話というのがあるとしたとき、現在発行される本やWebリソースで勉強すると、それ以前に理屈としてどういう議論が成立していたかを理解するのはすこし難しくなる。そういう地味なところを読むと、なんとなく筋のたて方の部分での理解がより深まる、気がする。

ただ、総じて、この本のボリュームに対して普通の人が得られる量は期待より少ない気がした。時間がなければ『暗号技術入門』を優先する方が良い。

個人的には『認証技術 その後』という本がほしい。ここで書かれている展望と現実がどう乖離したのか、とか、そういう話は現場で十何年という単位で働いている人によってしか伝わってない感じがする。

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