将棋ウォーズで2級になった

これで公式の免状ももらえる(買える)らしいので、将棋連盟2級相当の実力なんだろう。

コンピュータ将棋が強くなっているのでやる意義が、というのはあるんだけど「車が速いからといってランニングの愉しみってあんまり変わらんよね」みたいなのと似たノリ。もともと子供の時に少し興味があってやっていて、でも結局大して勉強できていないある種の負い目があるのだった。

せっかくなので目標としては「対戦で勝ち取って」の初段なんだけど、対戦である関係でなかなか大変。不得意とかあるとゴリゴリ負ける。初段になるだけならポイント制の雑誌への投稿の方が楽そうなんだけど、敢えて対戦して取ってみたい。まぁ、趣味だしね。

ネット対戦で相手と当たるのは良い。不利になると露骨に「通信不調」から逃げていると思しきプレイヤーにあたるとか、バランスが滅茶苦茶な(序盤が糞なのに受けだけ異様に固い、みたいな)コンピュータとあたるとかいう問題はあるとはいえ、人がいる(という幻想)は良いと思う。相手が使う戦法のバリエーション的にも良い。ローカルで動くコンピュータ将棋くらいだといかにもコンピュータみたいなクセが目に見えることはやはりあるし。

ゲームのルール上、最初は30級から初めて急速に級を上げ、実力に近いところで止まるようになっている。自分は3級で止まった。大体適正な級位なんだと思う。2級までは意外に遠かった。

まずルールで躓く。10分「切れ負け」というのが辛い。てっきりNHK将棋みたいな追加の30秒があるのかと勘違いしていた。10分がなくなると即負け。勝勢でも負け、みたいの自体が新鮮だった。ちなみに3分切れ負け、もあってそっちでも自分は「3級」になっているが、ここでは省略。

3級以上は数をこなしても上がらないことがわかったので、本を読むなどして勉強するが、当初はイマイチ伸びなかった。詰将棋3手詰めを500題程度解いて間違った問題を繰り返しやり直す辺りで将棋の駒の操作がスッとスムーズになった。

序盤、中盤、終盤というラフな区切りがあるときに終盤を勉強しようと言うお勧めを当初無視して序盤を勉強していた。でもあまり効果がなかった。というのも、そもそも駒の使い方、駒の「味」みたいのが全く理解出来ていないのが問題だったんだと思う。序盤は「作戦勝ち」と言うように、駒の位置、活用具合で優勢・劣勢が判定されるのだけど、そもそも「優勢とはどういう『感じ』か」が分からなければ、序盤で「先手良し」と本にかかれていても、良しだとは思えないし、事実その状態にして軽く逆転負けすることもあった。

詰将棋3手詰めは一見して余裕そうなのだけど、ルールとして「一問最大でも20秒程度で間違いなく解けること。余詰み等の変化も説明できること」という目標を設けた。

このローカルルールは今の自分ルールでは一応意図がある。10分切れ負けで残り1分のときには「三手詰めがともあれ解ける」という状態と「実戦において、最低でも三手詰めは30秒未満でおそらく発見できる」という状態は違う。後者は、10分切れ負け実戦での攻め側の読みを打ち切る判断材料として使える。20〜30秒詰めを探してなければ、詰められないと諦められるだけの詰め速度を得るのが目標だった。もし間に合わなければ、受けに時間を取る必要があるだろう。このルールはこの本を読んでいて思いついた。同レベルの将棋初心者には結構おすすめできると思う。

「必死」を徐々にわかってくると、詰め -> 必死 -> 勝勢 -> 優勢 -> 良しみたいな序列を徐々に理解できるようになる、気がする。形勢判断と「ほぼ勝ち」と「勝ってる」という状態の差異を、3級の自分は理解できていなかったのだった。マジだよ。

同時に、詰め将棋を頭で解いたり変化を指摘するのは、中盤以降に駒が衝突する以降の変化を3手〜5手程度進めるという、言われてみれば当たり前の操作を当たり前にするのにも効果があった。これが自分の中では意外や意外、2〜3級の対戦相手でほとんど出来ていないので、当然こちらだけ出来るようになると、自然に勝率が上がる。

詰め将棋3手を練習しつつ5手詰に拡張しながら、必死問題にチャレンジした。当初必死問題の雰囲気が全くわからない中で一冊読んだところ、要するに「2ルート同時に詰めが決まる状態」と分かったあたりで自分の中で棋力が上がった。当然2ルートの変化を頭に描く能力が最低限必要で、これはやはり中盤以降の基礎力に向上した、と思う。ちなみにその本とはこれで、対象者は「初心者から4段」とある。この本の設問でも難しいものには「これは自分には思いつかないwww」みたいなのもかなりあって、むしろ将棋の奥深さというのを発見できて面白かった。基本的な筋は実戦で似たものをしばしば持ち出せるようになった、と期待したい、が、ただ、まだ簡単に再生できるほど勉強できてないのは気になっているところだ。

NHK将棋トーナメントもここ10回程度は欠かさず見ている。解説があるので典型的な判断材料を理解するのに助かる。例えば、5五の制圧が角打ちを中心として影響力が大きい、みたいな分かっていれば当たり前の話が分かっているというのは、級位者どうしの争いで序盤にどの駒をつきだしていくかに一応関わる (有段者でもそうだろうと思うけど)。中飛車なのに5筋の突き出しが遅いのなら、こちらから制圧してしまうといったチャレンジを思いつくようになった (例えば http://shogiwars.heroz.jp:3002/games/dmiyakawa-lrf-20160107_225018 でそういことを考えて5筋を盛り上げる線をチャレンジした、つもり)

級位者というのはやはり初級者的な感じが少しするので多少恥ずかしいのだが、一応上記のような考えで3級から2級に上がった。

費やす時間的に厳しいところもあるのでなかなか成長しないが、周りに指導を賜る人がいないという状況で棋力向上で考えていることは以下のとおり。

まず詰将棋で5手から7手で上記と同様のルールを設ける。必死の判断能力を向上する。

明らかに常識と言える基本的な定石を身につける。例えば角換わりと相掛かりを自分は一切理解してない。また、この級位にかなり人気がある棒銀の受けが致命的に弱い。

手筋が自動で思いつくように強化する。例えば、まだ(3歩と桂馬があれば美濃には端攻めみたいな)端攻めの感覚がとても弱いと思う。これは簡単にポイントを取れるところなので優先したい。

特に角交換に対する恐怖心を取り除く。これは子供の時からあって、大体コンピュータと遊んでいた時期にコンピュータの角打ち込みが露骨すぎることからそういう恐怖感があるのだと思う。実戦でも、各打ち込みに弱い構図にしがちなのは今の時点でもマズい。

上記について納得できる理解を得たあたりで、多分1級になると思う。


このブログの人気の投稿

風花雪月

pemって言ったら改行も仕様に含むんだよもん

LibreOfficeで表紙、目次、本体でフッターのページ番号のスタイルを変える